ご存じですか?家電リサイクル法とPCリサイクル法
家電製品やパソコンは、日々魅力的な新製品が開発されていることもあり、定期的に買い替えることが多いですね。
使用済みの家電やパソコンについては、捨てるのではなくリライクルやリユース(再使用)する循環型社会に変わりつつあります。
それを支える家電リサイクル法とPCリサイクル法について紹介します。
家電リサイクル法とは?
今では考えられませんが、かつてはいらなくなった家電製品は、一部の金属部分を回収する以外はそのまま粗大ごみとして埋め立てられていました。
しかし、廃家電には、鉄、アルミ、ガラスなどの資源が多く含まれていること、また埋め立て地の容量が限界に近づいていたことから、廃棄物の量を減らすことがひっ迫した課題となっていたのです。
そこで、廃家電の量を減らし資源を有効に活用するために2001年に家電リサイクル法が施行されました。
家電リサイクル法の対象となるのは、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の4つです。
これら4つで、家電製品の80%を占めます。
家電リサイクル法では、廃家電を正しく回収し、リサイクルする仕組みを確立させることを目的としており、小売業者、メーカー、消費者がそれぞれ役割を担うことを義務づけられています。
小売業者は消費者からの引き取りとメーカーなどへの引き渡し、メーカーは引き取りとリサイクルといった役割を担っています。
そして、消費者は小売業者や製造業者等からの求めに応じ、運搬・リサイクル料金を支払うことが義務付けられています。
では、家電リサイクルのどのような流れで行われるのでしょうか?
新しく家電を買い替える場合は、新製品を買った小売店に使わなくなった古い家電を引き取ってもらいます。
もし買い替えない場合は、その製品を買った小売店に引き取りを依頼、それが不可能な場合は住んでいる自治体に案内された業者に依頼します。
その後家電リサイクル券が発行され、この券に記載された番号で廃家電がメーカーに引き渡されたかを追跡することができます。
業者に引き取りを依頼する際には、無許可の業者に依頼するのは避けましょう。
「一般廃棄物処理業」の許可を持っているか委託されているかが必要となります。
廃棄物を無許可の廃棄物処理業者に引き渡してしまうと、家電製品が法に基づいて適正に処理できたかを確認できない恐れがあるからです。
これまでにも不法投棄されたり、環境対策を行わずに廃家電を破壊してフロンガスなどの有害物質が放出されてしまうなどのケースが数多くありました。
また、引き取りに関して法外な料金を請求されることもあります。
このほか、比較的新しくてまだまだ使える家電製品なら、リサイクルではなくリユースという手もあります。
リユースとは再利用のことで、製品のまま第3者に使ってもらうことを意味します。
この場合は、中古品として古物商などの許可を得ているリユースショップ(リサイクルショップ)などに買い取りを依頼しましょう。
PCリサイクル法とは?
家電製品にリサイクル法があるのと同様、パソコンにも同様の法律があります。
それがPCリサイクル法です。
PCリサイクル法は、2003年に施行された「改正資源有効利用促進法」の通称で、メーカー側に家庭用パソコンやディスプレイの回収およびリサイクルを義務付けています。
回収されたパソコンはパーツごとに分解・分類されたあとに、金属やプラスチックなどの素材に資源化され、その後さまざまな製品の材料として再利用されるのです。
パソコンおよびディスプレイのほか、マウスやスピーカー、電源ケーブルといった附属品がPCリサイクル法の対象になりますが、プリンターやスキャナーといった周辺機器はその対象とはなりません。
ワープロも対象外になっています。
ちなみに、スマホやタブレット端末はPCリサイクル法の対象にはなっていません。
ただ、スマホは小型家電リサイクル法の対象になるので、総合スーパーや区役所などに設置されたボックスで回収してもらえます。
タブレットについては自主回収しているメーカーもあるので、買う前に確認しておくのもいいですね。
では、PCをリサイクルするにはどうしたらいいのでしょうか?
パソコン本体に「PCマーク」がついていればリサイクル費用はかかりません。
2003年10月1日以降に販売された家庭用パソコンには、PCリサイクルマークが印刷されています。
対象機器であれば、メーカーが無償で回収してくれます。
家電リサイクルのように運搬料もかかりません。
通常パソコンメーカーのリサイクルセンターに連絡すると配送伝票が送付されますので、自分で梱包してメーカーに送ることになります。
PCリサイクルマークがない場合は、回収再資源化料金というリサイクル料金が必要になります。
料金は対象機器によって変わります。
例えば、デスクトップパソコンや液晶ディスプレイはそれぞれ3000円に消費税がかかることになります。
リサイクルの流れはPCマークがついているパソコンの場合と同様ですが、メーカー側から払込票が送られてくるので、自分で料金を払い込む必要があります。
メーカーに連絡してリサイクルを依頼する前に、再利用できるか検討してみてはいかがでしょうか?
パソコンには非常に多くの金属が使われていますから、パーツだけでも売れる可能性があります。
場合によっては、専門の業者に買い取ってもらうこともできます。
まとめ
家電製品にリサイクル法があるのと同様、パソコンにも同様の法律があります。
それがPCリサイクル法です。
限りある資源を有効活用するため、地球にやさしい生活のために家電やPCでリサイクルが進められています。
安易に捨ててしまう前にリサイクルやリユースができるかどうか一度検討してみてはいかがでしょうか?